拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ
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拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ

由姫ゆきこ/八色鈴

オスカーの良さがまるで理解できない。

ネタバレ
2022年7月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2巻まで読了。
絵も美しく話の筋書きも切なくて、思わずうるっときてしまう部分がありましたが、よほどポイントに余裕がある時でなければ次を購入することはないかなと思います。
価格も高いし、既に購入したことを少し後悔しています。

リデルは素敵な女の子なのですが、オスカーがどうにも好きになれません。
生い立ちに影があるとは言え、まっすぐ向き合っているリデルに対してあまりにも冷たく、憎んでいるようにさえ見えてしまい、「本当は恋焦がれているのに嫉妬で当たってしまっている」ような、恋愛ものとしての燃える要素に全くなっていない。
好きならここまで誤解させ続ける態度を取れるか?
恋愛ものにおいてすれ違いは確かに話を盛り上げる要素になりますが、それには多少の甘さが見え隠れした上でないと成り立たないし、オスカーの態度はそれとは程遠く感じました。
友人に会わせない・夜会に連れて行かないまでは、身体の弱いリデルを想う気持ちからと独占欲から囲いたいからだと思えても、その後のあの辛辣なセリフはたとえ嘘でも言っていい言葉じゃない。正直に神経を疑いました。

リデル亡くした後から急に彼女に語りかける場面が増え、顔に受けた傷といい、わざとらしいほどリデルを愛していたという描写がありますが、今更?と冷めた気持ちを抱いてしまいました。
そんなにリデルを思っているなら、少しでも危険な目に遭わせるはずがないし、そんなに強い騎士なら自分が送り届けるか、それに匹敵する護衛を雇うべきでは?と思います。
リデルが亡くならなければ、転生につながらないから起きたことなのでしょうが、そうであれば今度は筋書きの甘さが目について、話に入り込めませんでした。

また、婚姻時がおそらくリデル15歳で、オスカーは「若い」そうですが年齢は不明。この時点で20歳と仮定して、
リデルが転生した時にはリデル16歳でオスカー32歳。
この年齢差で恋愛関係に移行するのかと思うと、それも微妙でした。いくらなんでも、娘と年端が変わらない少女を三十路超えた男が恋愛対象に見るというのは、気持ち悪いです。
その年齢差さえ覆してしまえるだけの魅力がオスカーにもこの作品にも、わたしには感じられませんでした。

リデルがエミリアを思う気持ちには胸に刺さるものがありますが、相手役のオスカーに魅力がないので、よっぽどの暇つぶしでなければ続きは買わないかな。
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