こどものおもちゃ
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こどものおもちゃ

小花美穂

主人公の生き様が好き

ネタバレ
2022年8月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 当時小学生でしたが、完全版を今でも持ってるくらいずっと変わらず好きな少女漫画です。とにかく主人公の紗南が清々しいくらいカッコよく、おちゃめでおバカな所も沢山あるけど自分の過ちはきちんと反省出来るし、めちゃくちゃ根性あって魅力的な良い子です。出生に関して問題を抱えてるけど、自分の人生をとにかく精一杯強く生き抜いていて、懐の深さ、豪快さ、愛情深さで周りも明るくしてくれる子です。前半の小学生編はそんな魅力を存分に見せてくれて、後半中学生編はやはり色恋絡むと面倒事だらけ…良い子だからこそ苦しみ抜きます。紗南に救われ更正し始めていた元悪ガキボス猿の羽山が、紗南と直澄くん交際のガセネタを信じてしまったのが中学生編は本当に辛かった…。何より、友達になった風花が即羽山に言い寄る流れはこの作品において一生引きずるトラウマとなりました。風花本人は羽山に同情して声かけてあげたみたいに考えてたのがもう無理で…後に紗南に「羽山の恋心に気づいてやらなかった」と偉そうに説教をしてるが(そもそも羽山は無許可キスばかりして告白から逃げ続けてた)自分が目を付けてた男がちょうど失恋して傷心してたからつけこんで自分の欲を叶えただけなのに…。記事がガセだと分かっても、羽山の状況や心情に寄り添うどころか「信用できない」と追い詰める始末…。羽山に言い寄る前の風花の失恋は噂で勘違いした両想い相手が彼女を作ってしまい身を引くという流れだったのに、今度は同じことを友達にさせるという怖さ。紗南に似た正義感の強いキャラとして描かれてるけど実際は全然似てなくて、思い込みの激しい偽善タイプ、他責思考で反省しないので私はどうしても好きになれない。更に、当の羽山が後に風花とのことを「好きじゃなきゃ付き合わない」「あいつには悪いことした」と気に掛けることばかり紗南に言っており、読者には羽山側に風花への恋情はないとわかるけど、紗南の中では"2人は普通に恋愛してた"事になる。紗南は羽山が自暴自棄で風花と付き合った流れも知らないので自分が風花から横取りしたという罪悪感を拭いきれず心を病む原因の1つに…この事だけは続編読んでも未だ羽山を許せない。中学生編は紗南と直澄くんが失恋を経て相手を思いやる心が成長する一方、風花の下心でできた優しさや他責思考と無神経さも、羽山の無神経モラ男ムーヴも一切反省なしでモヤるので自分が大人になったことを実感します。
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