美しいこと
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美しいこと

犬井ナオ/木原音瀬

コミックス初読の方は是非原作を手に!

ネタバレ
2022年8月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 原作、木原音瀬先生の「美しいこと」「愛しいこと」「愛すること」を読了しないことには、100%不完全燃焼になります。まずは【入手方法】に関して。講談社verを購入すると当コミックスと同じ場面にて終了するのでおすすめしません。買うなら上下版、そして、2021年10月より再販スタートした電子版「愛すること」これをGoogleで検索して購入してください。「愛すること」は当時の限定小冊子だったため長年入手困難、フリマサイトで高額入手(1万〜2万越え)するほかなかったのでかなりの吉報です。ただいつ配信停止となるかヒヤヒヤもんですので早めの入手をおすすめ。【内容について】です。コミックス派の方にはいささか衝撃が走るかもしれませんが、上手くまとまったかに見えたラスト。ここから二人よりそって徐々に愛を深めていきましたとさ。いえいえそうはなりません。木原先生のサディズム、リアリズム、こんなものでは終わりません。下巻の「愛しいこと」では寛末の誕生日、飲んだ帰りに寛末の家で松岡からキスを仕掛けます。が、松岡の髭に触れてしまった寛末はこれを思わず突き飛ばし、背中を虫が這い上がるかのようにゾワっとする。とまで辛辣な表現をします。ですが本来なら簡単にノンケが男を受け入れられる方がどうかしてる。文字通り胸を締め付けられるような展開に陥りますが、これがあるからこそ、人物をよりリアルにし、ラストを大変感動的なものへと導きます。さて、これまでずっと辛い思いばかりしてきた松岡ですが、「愛すること」ではやっと手に入れた幸せを怯えながらも存分に味わっています。木原先生にしては珍しく、本当に甘々ラストなので、ハピエン中毒者の方であってもお勧めです。とにかく、二人の物語はコミックスがラストではない、是非原作を手になさってください。※シーモア様におけるルール違反になるといけないので入手方法に関しては一部伏せています。
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