このレビューはネタバレを含みます▼
新刊作者さん買いです。表題作前後編+スピン全4話+描き下ろしで合計220ページ。表題作は大学の同級生で、転生を繰り返す浅見×映研所属の鈴のお話。悲恋の相手との再会を果たすため転生を繰り返していた浅見。何度転生しても成就しない願いに絶望していたところに、同級生の鈴が手を差し伸べて…というお話。最初実は鈴こそが浅見が探し続けていた人だったのかなぁと考えたんですが、それはさすがに安易すぎましたね。かなりスケールが大きい壮大な展開になりそうなところを、どう前後編に収めるのかなと思ったら、スケールの大きさはそのままで読み応えがあるのにちゃんと2話に収まって、しかも納得の着地点に辿り着いているのがすごい。スピン「四月一日、ほどけた世界」は、表題作CPの所属する映研に入部することになった綿貫×亘理のお話。行ったことはないけど何となく見覚えがある風景がずっと頭に残っている亘理が、それと全く同じ情景が印刷された服を着た綿貫と出会うお話です。この行ったことないのに何となく記憶にあるという亘理の状態、なんか分かる気がする!一見これもSFとかファンタジーっぽいんですが、その理由にちゃんと根拠があってとても納得できました。綿貫が強面なのに優しいのも良いギャップだし、綿貫を見てると、褒めて伸ばす重要性が分かります(子供も褒めなきゃとは思うんですが難しい…笑)。エチシーンに無駄な擬音とか喘ぎ声が一切ないのに、絵に動きがあって、水っぽいしっとりした色気が感じられるのもすごいところです。