シンデレラリバティ
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シンデレラリバティ

本郷地下

酸素濃度が薄い世界

ネタバレ
2022年9月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 息苦しい。読んでいて非常に息が苦しくなる作品でした。
発売後すぐ買ったもののなんとなく食指が動かずようやく読みましたが、思っていた以上に怒涛の展開で地下先生ならではの世界観だと思いました。こういったキャラクターをBLに取り入れようって考えることがすごいと思います。しかもアングラレーベルじゃなくディアプラスで笑 いやすごい笑

紙で見るとよく分かるのですが過去の話のページは枠が黒く現在の話は白いです。上巻は側面が真っ黒なのでほぼ全てが過去の話です。そして下巻は後半半分が白い。上下巻の大半のページを過去の話に割いています。あとがきで先生も言及しておられますが、話の時間軸が飛ぶので枠の色を変えたりなどの演出が凝っていてめちゃくちゃ作りこまれた作品だということが分かります。
兄に支配された受けとその兄弟に囚われた攻め。最後まで息もつかせぬ展開でこの幸せが見えない物語がどのように着地するのか全く読めませんでした。

話のキーパーソンになっている受けの兄の遼一。何でも持っていて何でも出来るけどその実何も持っていなくて支配すること以外何も出来ない、思い通りにならないと壊すしかない哀れで悲しい孤独な人間でした。
幼いながら違和感の世界で生きていた遼一を初めてありのまま認めてくれた弟の洋二、洋二は遼一のミューズでもあったんだろうな。

長らくランキング上位にあったにも関わらずレビューの数が少ないと思っていましたがこれは確かに読んでもすぐ書けないですね。
仄暗い話ではありましたがなんと最後はハッピーエンドなんですよ皆さん笑
足枷が外れた二人が手を取り合って自由に羽ばたいて行ってほしいと願わざるを得ないお話でした!面白かった!良すぎてまたしてもくそ長いレビューを書いてしまいました。
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