その胸の赤を
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その胸の赤を

黒田リサ

孤独な男の子の成長譚

2022年9月11日
なんかずっしり読み応えあったな〜と思ったら260ページあったんですね。始めから終わりまで表題作で描きたいテーマがしっかりと表現されており、良いお話でした。
孤独な男の子が大家族に出会って癒されていく様子が微笑ましい。この手の設定のものを読むと、私はラブと依存の境界が曖昧な気がして諸々心配になっちゃうんですが、その辺も曖昧にならず成長譚としてちゃんと描いてあったので良かったです。

大家族のうちの誰が兄弟で誰が親子かが特に説明なく進んで行くので、会話からそれを読み解くのが面白い。もしかして表札の順番にルールとかがあるのかな?知らないので自力で推理しましたw

トマト農家の攻めは、基本頼れる兄貴風でカッコいいのですが、年相応にオロオロするところもあってそこも魅力でした。受けやちびっ子達がちゃんと少しずつ成長してる感じも素敵でした。
緋呂くんが途中ムスッとしてたのはヤキモチなのかな?可愛い。

キスシーンはありますがエチ描写は無し。
表紙より内表紙になってるカラーの方が上手で好きですが、テーマに沿ってるのは赤い表紙の方なのかな。
素敵な作品でした。
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