にいちゃん
」のレビュー

にいちゃん

はらだ

読み返すのがしんどい作品

ネタバレ
2022年10月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 購入前にレビューを読み、かなりの問題作であるというのはわかってましたが、ここまで始まりから終わりまでずーっとゾワゾワする作品だったとは…!京とゆいの関係性の歪さや、京の過去、家庭環境など全部ひっくるめて心がゾワゾワ…。でもただこの2人を「歪んでる」って一括りにして見ることが出来ない不思議。ゆいが引っ越そうとする京に詰め寄って「おじさんと同じ事俺にしないで」っていうシーンで切ない気持ちになったし、京の「ふつうってなんですか」「なれるもんならなりたいです」っていうシーンではこの人めちゃくちゃ苦しんでるじゃん…ってツラい気持ちになりました。京はゆいを同じところまで引きずりこんだ張本人でひどい事もしてるんだけど、だからといって苦しんで当然とは思えないんだよなぁ。最後にゆいが「切り捨てろ…」って自分に言い聞かせて終わり…作品としてはこの上なくメリバな終わり方で素晴らしいと思うんですが
この2人が幸せになれる世界線がどこにあればいいなって願わずにはいられないです。ここまで振り切ってる内容を作り上げるはらだ先生はやっぱりすごい。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!