このレビューはネタバレを含みます▼
新コミ初めましての作家さん!
発売され即買いしてから、既に幾度となく読んでます。
試し読みとタイトルあらすじから想像していた通りといえばそうなんですが、不穏なようでいて温かい、独特なようで普遍的な……不思議と心がポカポカする作品でした。
本作は、異常に眠ってしまう病のさよと、幼馴染でさよの全面的な世話を担う孝己の2人の共依存愛を段階を経て見ていくお話。
今の関係に至るお互いの感情が、出逢いや過去の出来事をうまく織り交ぜてとても丁寧に、描かれていると思います。
作家さんの絵柄自体にすごく魅力を感じるわけじゃなかったんだけど、キャラの感情やストーリー展開の運びが分かりやすく、且つ、読者の心を何かしらギュッと掴む!
その辺りが、めちゃくちゃ魅力的な作品でした♡
卵の中で孝己に温めてもらって、守られて愛をひたすらに受けてきたさよ。
汚いものを何も知らず見ずに生きてきたかのようでいて、精神的に孝己を通して大人になっていたさよ。
外野や世間ではなく、自分と孝己の感情を何より大切にするさよが人として素敵すぎて……本当に眩しかったッ!男前が過ぎる。
知識や体験がなくとも、刷り込みだろうが異常だろうが、さよにとって孝己と過ごすことが全て。
孝己が一生懸命に育ててきた刷り込み愛の結果は、
このさよの重い愛……
さよに、死ぬまで同じ巣の中で生きていくんだと豪語され、言葉に詰まる孝己ww
孝己が報われて、しあわせそうなのが本当に嬉しかったです。
色々な意見もあるでしょうが、なかなかに孝己が不憫で、私は凄く肩入れしてしまうキャラでした。
さよと同じ場所にいたいのに、どんどん1人で大人になっていく汚い自分を持て余してしまう気持ち。
さよを傷付けず大切にしたいが故の、ビビりヤリちんも不毛でただただ可愛いかった。きちんと本命ありきと線を引いてせフレを作るのが、人柄出てましたねw
優しくて、情けなくて、ちょっと歪んでいて……
とても、魅力的な攻だと思います。
さよを愛して守っていたようでいて、
やはり孝己がさよに愛して守られていたんですよね。
孝己より1週間早く生まれて、ずっと孝己の側にいて
俺より1日早く死んでねと言われるさよ。
何やねん、この2人。
しあわせかよ、しあわせでいてくれよチクショーっ!