このレビューはネタバレを含みます▼
辛い、苦しい、目を背けたくなる。読了後に清々しさは一切なく、鉛のように重くのしかかるような、不透明で暗いものがドロドロとまとわりつくような、そんな感覚です。
攻めのクズっぷりは他レビュー同様相当なもので、どう育てばここまで自己中心的で暴力的な人間になれるのかというとんでもない人間で。
受けは幸運に見放された不憫な人間ながらも、透き通った存在。
程よく鍛え上げられた美しい体と、栄養が足りていない肋の浮き出た体。
ほぼ全ての面で対極にいるから、読み手もさらに惹きつけられる。
はっきり結果を知りたい部分だったけれど、読み手次第にどうとでも解釈できる締めくくり。現か幻か。
現実でありますようにと祈らざるを得ないけれど、そうあっさりと戻って来られる状態か?と自分自身の心が簡単にハッピーエンドと締め括れず、ズブズブと物語の世界に入り込んだ心が読了後に戻って来られない壮絶な一冊でした。
幻だとしても、客観的バッドエンドでも主人公にとっては決してバッドエンドではなく多幸感に溢れているのですよね・・・それならハッピーエンドということで良いではないか!!!と頭で結論づけようとしても心がざわざわして、結論づけられずにいます。
う〜ん・・・深すぎる。