これは確かに評価が分かれるラストシーン。
ハッピーエンドorバッドエンド、どちらともに考えられる作品です。
そして作中にも出てきますがドストエフスキーの「白痴」がキーポイントなんだと思います。
純粋で美しい奏、毒魚の凍月。
毒魚の凍月に『手に入れたい』と思われ非道な手段で奏を残酷なまでに地獄に落とす。
そして貧乏のどん底。病気の母親に尽くすばかりで誰一人救い出してくれない。(登場人物の殆どが極悪人ばかりです)
奏は復讐しようとするけど、奏が危ない場面になると必ず身を呈して守ってくれる凍月。
奏が復讐の為に甘えたフリをしたら尽くしてくれる凍月。
尽くされた事のない奏は自分でも気付かないところで、そんな凍月に惹かれていってしまう。。。
ラストシーンは奏が意識障害なのに一瞬、目を開ける。そして凍月に指文字で『アイシテル』と伝える。その後は2人で住みだした時に飼った犬が大きくなっているのである程度の時間経過はあるようで凍月は奏に一生懸命、語り掛けていて目が開いてるシーンがあるけど、あれは凍月の願望であって奏の意識障害は続いていると思います。
何故そう思うのか?推測ですが凍月には一生、奏を追い詰めた事への『罪と罰』を背負って生きなければいけないからです。
凍月は人生で初めて愛した奏とずっと一緒にいることが出来る人生。
奏は不幸を背負って生きてきた事から抜け出した人生。
そういう意味ではハッピーエンドなのかも。