このレビューはネタバレを含みます▼
オメガバースの作品はたくさん読んできたけど、オメガバースの世界観がはじまっていく変化の時間を描いているのが本当にすごい。
オメガバースについて知っているからこそ、読んでる側はヒートだとかアルファとオメガだとわかっているけど、彼らの常識にはそんな不思議な常識な存在しない。だからこそ、少しずつ何が起きているのかを主人公たちは少しずつ知っていくんだけど、特別頭がよくて生物が好きな喬だからこそ真相を見抜いていけるというのも設定がしっかりあるから自然でいい。
それに加え、喬も西央もすごく魅力的な主人公というか…。場面の半分が体育倉庫で、その半分が学校や外の世界なんだけど、現実と倉庫を行き来するのが謎解き役の喬で、その間に素直に気持ちを表に出さない西央が1人の時間に色々と考えを巡らせていくのがすごく対照的ですごい読んでいて2人の心境がすごく理解できた。
漫画としても物語としても本当に素敵な作品を読むことができたと思う。
私は少しオメガバースの固定観念やオメガへの差別表現が苦手だったけど、この作品は読んで良かったと思った。素敵な作品をありがとう。