正反対な君と僕
」のレビュー

正反対な君と僕

阿賀沢紅茶

イヤミ成分ゼロキロカロリー

2022年10月30日
「氷の城壁」の作者さんの作品ということで興味を持ちました。
思春期の深刻になりがちな感情に焦点があたっていた前作と比べて、本作はカラッと明るく違う良さがある。
ギャルな鈴木さんはノリ軽めな陽キャだけど根が真面目で、ちゃんと地味めな谷くんの内面を見てるいい子。
谷くんや周りの友達もありのままを肯定的に受け入れられる、柔軟性を持ったいい子たち。
鈴木さんと谷くんの初々しいやり取りも可愛い。
サクッとした軽い食感のお菓子みたいで、強く心に刺さったり感傷的になったりはしないぶん、何度でも重く嫌な気持ちにならずに読み返せます。
そして軽い食感とはいえ、登場人物たちが自分の感情や気持ちに対して真摯に向き合う描写は、この作者さんならではだと思います。
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