雷神とリーマン
」のレビュー

雷神とリーマン

RENA

素敵な作品。

ネタバレ
2022年11月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 個性的な絵で、始まりはギャグ漫画かなと思ったけど、最後まで読んで感動しました。雷神がゲイのリーマン大村の部屋に突然来て、人間になりたいと言うところから始まり、大村と一緒の時間を過ごしながら人間としての体験や感情に出会っていくストーリー。偏見のない雷遊の言葉はとても新鮮で、大村の心を溶かしていく様子が素敵でした。性自認や恋愛対象の性、生まれ変わり、子孫を残すことなど、いろんなテーマが入っており、作者さんの哲学を感じられました。
最終話に、大村が雷遊と人生を共に歩めた様子が描かれており、胸に沁みました。ラスト、大村だけが老いて死んでいく、雷遊が大村の遺骨を思い出の桜の元に埋め、その桜が朽ちてもその場に座り尽くす、大村と一緒に人として老いたかったと初めて(多分)涙する様は、心臓が苦しくなりました。そして消えていく雷遊。始まりと終わりがある人間として生きていくことを考えさせられる作品でした。
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