漫身創痍
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漫身創痍

野良おばけ

漫画家の理想と現実が衝突する大熱量作品

ネタバレ
2022年11月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 野良先生が描く美大出身の絵は上手いけど売れない漫画家時生(ときお)が、天才ながら干された漫画家明日馬(あすま)と出会い、その才能に惚れ込んでタッグを組んで売れる漫画を世に出して見返してやろうぜ!と作品を創り上げていこうとするという作品。とにかく、明日馬と時生のセリフの応酬が熱い。天才明日馬が語る漫画家の価値は漫画でしか表現できないことを全身全霊で表現することにあるんだというセリフや、漫画は作者のものか読者のものかという議論とか、野良先生が漫画に込めている哲学を絞り出しているよう。こういう思いで描かれている漫画が読みたい!と思っている自分に野良先生の魂の叫びがビシバシ伝わり、読んでいるうちにこちらの体温が上がる感覚が湧いて、あーっ、今いい作品読んでる!と心の中でキンコンカン鐘が鳴っていました。
途中、明日馬の全裸とか、腐女子を喜ばせそうなシーンもあるものの、そういう甘い関係にはならなそうな緊張感が漂う。この作品にチラッとでも興味が湧いたら先生のツイッターをのぞいてみてほしい。1巻の売れ行きによって、どこで話が終わることになっても大丈夫なようにプロットは組んであるそうですが、読んで欲しい気持ちが伝わる内容になっているんです。そして、2人の間のクソデカ感情が描かれることは確定しているそう。私にゃ、既に時生の明日馬に対するクソデカ感情が伝わってくるんだが、最後チラッと明日馬が時生に対する思いを言うんです。そこだけ切り取ったらBLじゃね?と思うくらい萌えました(//∇//)
とにかく、漫画家視点の熱い作品が読みたいならオススメです!
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