このレビューはネタバレを含みます▼
199ページ。
吸血鬼エミールと背徳の神父ジル、良い組み合わせですよね。かなり好きな感じの話でした。エミールの過去の善行が助けとなったり、神はすべてを愛し給う的な素直さがある世界観で、それはそれで悪くは無いんですが、個人的なキリスト教の見どころである「罪」感が薄かったのは物足りない。
また、ストーリーに対してエロシーンが妙に騒がしいと言うか浮いてると言うか。この違和感がきつくて読み返す気が起きないため、厳しめの星2つ。
あと、どうしても納得いかない(ただし星を引くほどではない)のが、主人公の養父に対する感覚。私には合わなかった。最底辺から養子にしてくれて、ジルの「悪癖」を知った上で責めることなく、ジルの救いとなるようにって神学校にまで入れてくれて……めちゃ良い人じゃない?ジルの望んだ通りの愛し方では無いにせよ、養父、ジルのこと相当大事に愛してくれてない?それに対して、ジルはあまりに自己中だと思ってしまった。
最後の方、ほんのちょっと「君の隣が一番遠い」とリンクしていて、オマケ感があって楽しかったです。