表題作と続編だけなら星5!





2022年12月3日
ずっと気になっていた作品。表題作とその続編のみ欲しかったのですが、他3作が入り、全195頁中表題作と続編は計81頁の本巻を、値下げとクーポンを併用して約半額で購入。表題作と続編は、第二次大戦前後という時代と、混血児という出自に翻弄されながらも、人を愛しかつ愛され、夢を見失わずに懸命に生き抜いた清人の人生を描いたものです。続編はやや駆け足の感がありますが、薄幸な少年の生き様が哀切な叙情を漂わせながら淡々と描かれており、読後感は小説か、映画を観たような感傷に捉われます。続編のラストシーンが、清人の万感の想いは結局そこへ帰っていくのかと、とても印象的なものでした。この2作だけなら星5。全く趣きの異なるギャグテイストの話を、表題作と続編のあいだに挟むという理解に苦しむ編集にマイナス1。続編をもっと長く、より掘り下げて描いて一巻にして欲しかったな。

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かふー さん
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しろくろうさぎ さん
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