陰の間に花【電子限定おまけ付き】
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陰の間に花【電子限定おまけ付き】

ひるなま

ひるなま先生お疲れ様でした。

ネタバレ
2022年12月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ ひるなま先生ご逝去の報に接し深い悲しみを感じております。
訃報を知り改めて作品を読み返しました。デビューコミックスとは思えないほど完成度が高くて話も作画も好きだった本作。お元気になられた時の次の作品を楽しみにしていました…。

武士兼薬師×角の生えた元陰間

1冊で非常によくまとまっている作品だと思います。
今は原因が分かっている色々なこともこの時代は畏怖の対象であったと考えると、突然角が生えてくるという奇病の発想が違和感なく時代設定に馴染んでいます。
誰を恨んで良いか分からず生きてきた紫苑が、唯一心を寄せた人への恋慕、憎しみなどから現れたであろう角。その不思議な角ごと紫苑を愛してくれる無骨だけど体も心も大きい能之。

最後まで結局この角はなんだったんだろうという不思議さを残しつつもアッとなるラストにゾクゾクします。
余計な伏線や過度な登場人物もおらずシンプルに人と人との感情の交差を描いた作品です。好きな人にはすごくハマる内容。
ハピエンイチャラブとは少し違うテイストのBLをお探しの方にオススメです。

個人的には江戸BLジャンルあまり萌えないので読みませんがこれは好きなので、普段あまりという方にも合いやすいのかなと思います。

まだまだ描きたい作品がたくさんあっただろうに先生の心残りを思うとどのような言葉を書けばいいのか分かりません。長い闘病生活本当にお疲れ様でした…心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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