ぼくのパパとパパの話
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ぼくのパパとパパの話

ろじ

泣ける・心温まるBLにしていいのかどうか

ネタバレ
2023年1月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高評価が続いてるところすみません。
子育てBLはあまり好きじゃないけど、ろじ先生だし…と思い、読んでみました。

ゲイであることを公表しているある著名人が、同性愛者である自分も、自分自身を形成するアイデンティティの一つでしかなく、あらゆる性が世界に存在することが当たり前の世界が理想、というようなことを述べています。

この先性の多様性が、当たり前のものとして受け入れられていくことになるのかどうか、それは分かりませんが、この過渡期において、ある一つのテーマとして同性婚が認められた世の中で、養子縁組をした子供を育てる一つのカップルの形を描こうという気構えは伝わってきます。

しかしながら、1巻でまとめているせいか、全体的に浅く感じました。パートナーの複雑な家庭の問題を入れると、ドラマ感は出ますが、何を描こうとしているのか、焦点がぼけてしまう。

子育ての描写も、フワッとしたイメージでこんな感じかなと描かれた家族のよう。子どもの葛藤も描かれておらず、よく創作ものでみる『元気いっぱいの無邪気な男の子』以上のものはなく、二人を1番近くで見ている息子が何を受け取り、発信しているのかが不明瞭。

一番知りたかったのは、家族になろうと思った時に、なぜ子どもを持とうと思ったのか。そこが大事なのに、さらっとしか触れてない。

全体的にフィクション感が拭えません。
癒しを求める作品、泣ける作品とすること自体がどうなのかなと思います。それこそ、「普通」では無い家族としているようで。

子育てBLは難しいなと改めて感じました。
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