ハッピーマジカルNIRVANA
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ハッピーマジカルNIRVANA

絵津鼓

マジカルハッピーエンド過ぎた

ネタバレ
2023年1月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵津鼓先生新刊。まだ1月の中旬だというのに早くも2023年ベスト3に入るのではと思ってしまった作品。

不思議な小道具たちと恋人なし独身者たちのシェアハウスストーリー。

老いのせいでしょうか、中盤近くから悲しすぎて切なすぎて引くぐらい泣いてしまいました。
元々私の涙腺のダムは障子紙くらいの厚さしか無いというのもありますが澄春に感情移入し過ぎて本当に辛かった。
最初の方はコミカルで楽しい場面が多かったけど段々と澄春の恋の未来にフォーカスされていくうちに実らない片思いの切なさが描かれていきます。

この手の鈍い攻めって無神経だったりしてこんなやつ好きなの早くやめちまえって思うけど、この大悟は鈍いんだけど嫌いになれない。優しいし澄春をずっと大切に思ってる。
澄春が長年片思いしてる相手のこと知らなくて、そんなにずっと好きだったのに好きの気持ちを記憶から消すほど開放されたくて苦しかった相手が自分だと知った時の大悟の気持ち考えたら、もし私が大悟の立場だったらショック死すると思うレベルでした。
この辺りの持っていき方がさすがの絵津鼓先生でシンプルなコマ割りなのにガンッて殴られたような衝撃。

好きな人の好きな人にこの先もなれないという苦しみからパンクしてしまった澄春だけど、それをキッカケに大悟の意識も変わってすごくあったかいハッピーエンドでした。

登場人物もみんな良くてノンケもゲイもアセクもいて色んなセクシュアリティの人間がいるからこそ、話す時も男だからとか女だからとかじゃなく人対人で考えあってるのがとても居心地が良さそうだった。

将来が不安なので私も入居したい(´・ω・)笑

余韻が大変いい作品でした。これは何回も読み返して何回も泣きます笑
辛い苦しいと書きましたが悲しい話では全然ないのでとてもオススメです。
良すぎてレビューがまたしてもレシートみたいに長くなりました。
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