2と車【電子限定描き下ろし付き】
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2と車【電子限定描き下ろし付き】

虫歯

この激情、恋以外あり得ない……!

ネタバレ
2023年1月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さん買い♡
単行本になるのをそれはもう待ち望んでました!
始まったばかりの一年ですが、
間違いなく、2023年一番ズシンと私の心に響いた作品になると思います。
タイトル、表紙、大好きな虫歯先生だしとは思ってはいましたが、これ程とは思い及ばなかったです。

本作300ページ超えで内容(エチではなく)も濃厚で、
読み応えが凄かったなぁ……!
ニ兎の心理描写が丁寧に描かれてあって、胸が締め付けられて仕方がなかったです。
彼の生き方や人生そのものである音楽を通して出逢うこれまた魅力的なキャラの来間と、来間との化学反応で変わっていくニ兎が魅力的すぎて、一コマ一コマ、彼らの一言一句の隅々まで取りこぼすことなく読みたい‼︎
私にとって、本作はそう思わせてくれる作品でした。

美しい音楽のみを愛する人間嫌いのニ兎が、来間に出逢い、彼の音楽性に強烈に惹かれてバンドを組むことに。
完成された音楽をしてきたニ兎だったが、来間と一緒にする音楽がとにかく楽しく興奮でき、自分にしっくりくる…今までの自分(アイデンティティ)が揺らぐことすら受け入れさせられる強烈な来間との出逢い。←ここまでが、3分の1の内容。
この時点でも立派に一冊になってそうと思うのに、
ここから来間に振り回されていく二兎の健気さ、いじらしさ、拗らせ具合がたまらず……たまらんッ!
人畜無害と思いきや、序盤で面倒臭そうと思ったニ兎なんかより、よっぽどクセのある来間との、拗れに拗れていくバンド活動。

惚れた方の負け……言い得て妙だなぁと。
来間への気持ちをその都度、飼い慣らそうと自己完結させるニ兎が可愛いやら不憫やら…!
間違いなく、これが恋ですよ。ままならんやつです。

収まるところに収まるまでの詳細を書きたいとは思うけれど、
2人の関係のややこしさや尊さ唯一無二感を体感してほしいのでぜひ読んでみて下さい。
人を好きになることで、その自分をも好きになれる。
これも恋ですが…
人を好きになることで、今までの自分が揺らぎ、嫌いになったり、新しい自分を受けていかなければいけないのも、恋ですよね……
違うのにしっくりくる。見事な2人の化学反応。
やっぱり、恋って凄いなぁ……素晴らしい。

レビューが勝手に削除され凹んだ年始でしたが素敵な一冊に出逢えて、2023年もう幸せになれました。裏表紙のインタビューも嬉しかった!
有難うございます♡
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