はきだめに恋
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はきだめに恋

はなぶさ数字

はきだめに山鹿

ネタバレ
2023年1月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 冴えない童貞くんも面白いけど、こちらも面白い。この作家様のお話し好きです。なんだろ…台詞まわしがお上手なのか、山場での台詞がすごくグッと入ってくる。で、そこを何度も反芻して読んでしまう。現実逃避して、生きることに意味をなせずに、人んとこのはきだめで逝こうとしてた攻めの山鹿。そんなん見てるのに、見て見ぬふりして次の日警察うようよ来てお亡くなりになってたら、受けのひろ…一生引きずるだろうに…。と、そんなこと思っちゃうおばはんな私だけど、ひろは違うのよ。ほんとに純粋に助けたかっただけなのよ。ひろはなんというか…不器用で物事を要領よくさばけないタイプかな。真面目で心根の優しい子なんだけど、それだけでは世の中渡っていけないのよっていう、それをある意味体現したようなのが攻めの山鹿。いや、山鹿も基本的には優しい人なんだけど、生きてきた世界が世界だけに、あんな感じなのかな。ひろのお節介から始まった関係だけど、ひろがねぇ…可愛いんだけど、可愛いだけとはまた違う。BLでよくある女の子みたいに見える可愛い男の子は苦手だけど、そうではなくて、ちゃんと男性らしい可愛さと脆さと強さがあるのよー。うーん…語彙力ない自分が悲しい。だから、見てて守ってあげたくなるけど、でもちゃんと相手を守ろうとする強さもある。そこに山鹿も惹かれたのかな、と。一度離れることになるけど、ちゃんと約束を果たして帰ってきた山鹿が、ひろのこと愛しんでるのが萌えました!一度は死んだ(あっ!心がね)山鹿がひろのために生き還った姿が、とてもカッコよくて読後が清々しい。たぶんリピートする作品のひとつになると思います。あざらしひろも可愛いし、ひろも山鹿もキャラが魅力的で好きです。じんわりと沁みる作品を、ありがとうございました。
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