このレビューはネタバレを含みます▼
女のいない村から少年マウリが巡り神の生贄として差し出されます。思わずチェンジを叫ぶ神様でしたが、素直なマウリと穏やかな日々を過ごすようになります。ある日マウリが村の男達に乱暴されそうになり、駆けつけた神様は大きな白い竜から人にと変化します。相手と気持ちが通じると相手と同じ種族に姿を変えるのが巡り神の特徴で、ここから様々な巡り神が登場します。『雨降らしの神様』神社に生まれた神梅くんには普通は見えない方々が見えます。中でも幼い頃に助けてもらった白峯はちょっと偉い神様っぽいのでした。『常春の狩人』巡り神視点のお話。綺麗な歌声で春を呼ぶ神様は、毎年鎮塚山の狩人•ジーンに会うのを楽しみにしています。ところが突然人の姿となってしまった神様は、その歌声ゆえに人に捉えられてしまうのでした。『めぐりゆくもの』一人ぼっちのキオは美しい馬を連れた遊牧の民に拾われます。恋とは違う切なく綺麗な短編です。『マウリと黒い竜』『イツカと黒い竜』巡り神から土地神となり平和に暮らす竜の元に黒い竜がやって来ます。忌み神である黒い竜は戦の地へと飛び、彼にも想い人ができます。『おはちび』『マウリと竜〜春のはなし〜』幸せな日常の一コマ。『神様は塀の上』潤飛鳥くんは引越し先で喋る黒猫と出会います。『ひとりぼっちのタンタ』羽根のある異形の犬タンタは、川辺でやはり異形の人を見かけます。竜と言うよりドラゴンに近い形態の竜を始め、様々な神様の登場する優しいファンタジーで、エロはふわっとあるかな程度です。