恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。
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恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。

永野水貴/とよた瑣織

ザ・シリアス

ネタバレ
2023年2月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリアスな話は好きじゃないんだけど、前から気になっていて何度も試し読みをして手を出した。シリアスは好きじゃないんだよなぁ(笑)
好きで読んでいるというより、色々と気になって推理小説を読むような気分で3巻まで読んだ感じ。4巻以降が良いというレビューを信じて次も読もうかとは思っていますが、ウィステリアが可愛そう過ぎて、読んでいて辛いです。
ちょっと挿話が長く感じてしまう事もあるけれど、直接的なイチャイチャとか無いですし、ウィステリアの失恋に対してグサグサと来るセリフも多いし、二人の関係性がなかなか進展しない分、あれが無ければウィステリアとロイドの関係性の深みというか奥行きは出てこないのかも知れないなと、3巻まで読んでそう思えました。ただ、出来ればもうちょい早く先が読みたい(笑)
ウィステリアをあの地に追いやったロイドの両親。表面だけ見たら、魔法の使えない“ありのまま”のブライトを受け入れた妹・ロザリーの事をブライトは選んだ、みたいな感じだけど、実際のブライトはコンプレックスの塊なのではないだろうか。
魔法が使えないので正攻法の善良な人間として頑張るしかなかっただけで、もし魔法が使えたら“貴族な俺様”で嫌な奴だったんじゃないかと思う。ロイドが死地に赴く時の言葉や態度って嫉妬混じりで酷い。ロイドは嫡男とか言いつつ帰ってこない事を望んでるような気がする。良い息子という道具は欲しいけれど自分より優秀な領主と言われるのは面白く無さそう。
ウィステリアの事を忘れて結婚して子供まで作って酷いとは思うけれど、ロザリーはその事を忘れているようで、もしその事を思い出してもブライトを受け入れられるのだろうか。
仲睦まじく暮らしているようで、実は思い出されて困るのはブライト。姉をあの地に身代わりで送って妹と結婚したなんて世間に知れたら困るのはブライト。だから冤罪もそのままにして、ロザリーが思い出さないようにしている。この二人の関係、幸せそうに見えて結構脆いのでは。
こんな感じで背景を深読みしつつ、次巻を待ってます。
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