エンドレスワールド 新装版
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エンドレスワールド 新装版

蛇龍どくろ

人間臭さを追求した不朽の名作

2023年2月2日
知る人ぞ知る、ガツンッ‼とくる名作。この新装版が読みホで読めます!太っ腹です!
初出2008年、って、明日美子先生の同級生やヨネダコウ先生のどうしても触れたくないが出た年ですよ。
あの年代だからこそ語り継がれたんじゃないのか?と思うくらい問題作ですよね。イジメはダメだと思いますぅーとか人コロしちゃってるじゃないですかぁーとか、きっと表立って言うのは野暮だとみんな知っていたんですよ。ダメなのは当然って誰でも解っている、よほどのバカじゃない限り。だから敢えて言わない。その上で表現として作品に取り入れている意味を考えたいんですよ。そういう作品は本当にありがたいって感謝して読んでしまいます。
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さて今作を読み返してやっぱり思うことは、「人間臭い」って何なんだろう?「自由」って何だろう?ってことです。
そんなのは人それぞれ思うところがあるだろうし、明確な答えなんかないでしょう。しかしぼや〜っと生きていたら考えもしないことを考えさせられる、名作と呼ばれる作品には必ず何らかの衝動を突き動かされるんですよね。
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この新装版にはどくろ先生が11年経た後に新たに描き下ろされた前編22ページ後編36ページが入っています。とても優しい気持ちになれるし、本編でモヤモヤした方にはある意味着地点を教えてもらえるかも知れません。
しかし本編の読後感を持続したいなら、直ぐに読まない方がいいんじゃないかなと思いました。本編でのモヤモヤを一度飲み込んで自分なりの気持ちがハッキリしてから読むと、ことさら鮮烈な印象を受けたからです。
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今作は一度しか読まないと良さが解りにくいかも知れません。何度も読んでその読んだ時々の自分の人生と照らし合わせて自ら回答を得る、そんな作品だと思います。
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