町でうわさの天狗の子
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町でうわさの天狗の子

岩本ナオ

日常と非日常を愛おしい思い出が紡いでいく

ネタバレ
2023年2月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無料3巻を読んでそのまま完結まで一気読み。
天狗の子の秋姫は恋や友情に夢中な高校生で、小さな嫉妬でモヤモヤするようなごく普通の子。ところが7巻目位から天狗の力が育ち始め、8巻からタケル君の力や天狗世界が大きく膨らみ、秘めたる力が顕在していく。恋と友情と隣り合わせな不可思議な世界が、一大スペクタクルのようになっていく。
切ない慈しむような愛に満ちた思い出が、自分を相手を諦め手放す事をさせない。
悪夢をみていた瞬君が秋姫を取り戻す世界線と、共に落ちて名前を呼んでいた世界線と、2人がいなくても諦めない日常の世界線が一つに重なるその時。壮大なロマンも日常のロマンも一つの物語に収まっていく。余韻のアンコールが欲しいなぁ。終わると淋しい。
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