プリフェクトの箱庭【電子限定漫画付き】
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プリフェクトの箱庭【電子限定漫画付き】

左藤さなゆき

プリフェクトって?

2023年2月8日
同じ寄宿舎に属する年少生徒の監督と個人指導を公式に任された最年長生徒のことなんだそうで。

パブリックスクールのような閉ざされがちで特級階位のヒエラルキー、「神」に選ばれ囲われていく執着溺愛のBL。王道です。


さなゆきさんの1巻で完結するものなら何作かは読んでいてそのストーリーテラーぶりは類を見ないと思ってはいるのですが、正直申し上げてたまにキャラが見分けがつきにくかったり、ぎこちない場面展開が有ったり今一つハマらず、このプリフェクトの箱庭は読まずにいました。完結を機に一気に購入し一気に読了。
結果、、、、囲いこみブラボー!と。
さなゆきさん、申し訳ありませんでした。
囲いこみたい攻めとそれを全部認める受け。箱庭が完成されるまでのストーリー。さなゆきさんの執着・囲い込みの真骨頂でした。
周りがどう思おうと2人が幸せなら最高じゃあないか。

読み返すと『ああ、あの感情や行動はここに繋がっているのか』という攻めの思い出があちこちに散らばっています。

受け以外の人にはメチャクチャ塩の攻めが良い。受けに近い人に半眼無言で圧をかける攻めが良い。受けを守るためには冷酷になれる攻めが良い。受けの前でだけは脆さを見せる攻めが良い。それなのに王者の風格を備える攻めが良い。

3巻ラストに出てくる、書き下ろしの絵本のお月さまのストーリーも素敵でした。
攻めがさりげなく着けているネックレスにも胸熱でした。

別のさなゆきさんの作品でもレビューしましたが、作品のタイトルがいつも秀逸。毎回読み終わると「あー!そういう事か!」となります。
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