武骨イメージの坂上田村麻呂が美形の武人で





2023年2月10日
坂上宿禰田村麻呂が部下思いの見た目優男の甘いキャラで描かれているが、やはり武術には人並み外れて実はすごいというところを肩肘張らずに魅せてくれて、なかなかスーパーマンな設定でユニークな話。そこへ奈良~平安の物語には不可欠の鬼がちょくちょく登場、ストーリー進行にがっぷりかんできてひっかきまわす。田村麻呂のビジュアルもよろしいが、時代の離れているはずの最澄も美僧として途中出場、楽しく自由に比叡山で過ごしていて明るく仏道の修行をしている。
実在した歴史上の人物達を相当おもしろおかしく人物造形しており、モデルとなった元の(世間が抱いているであろう)人物像をすっかり脇に置くと、これは脚色されたひとつの宮仕えのお話、別世界的にくだけた読み物として楽しめる。日本史の固定観念を外して作者が見せてくれたものが、貴族社会や宮廷行事の服装や雰囲気の描写を通じ視覚的になんとなく説得される、キャラ達の日常漫画。まだ田村麻呂さんはなにごとも成し遂げたような大人物になっていない点が、重苦しさとは無縁の飄々とした田村麻呂さんのキャラに、親しみやすさを添えて、お手軽な全3巻。
苦しい場面も悲しい場面も入らないので主人公綿麻呂の空振りするまじめさが重宝であり、反面、微妙でもあり。
桓武天皇が笑いを誘う役どころなのもユキムラ先生の造形力ともいえ、政治の中心人物に据えられる器量がない設定なのがまた可笑しい。
実在した歴史上の人物達を相当おもしろおかしく人物造形しており、モデルとなった元の(世間が抱いているであろう)人物像をすっかり脇に置くと、これは脚色されたひとつの宮仕えのお話、別世界的にくだけた読み物として楽しめる。日本史の固定観念を外して作者が見せてくれたものが、貴族社会や宮廷行事の服装や雰囲気の描写を通じ視覚的になんとなく説得される、キャラ達の日常漫画。まだ田村麻呂さんはなにごとも成し遂げたような大人物になっていない点が、重苦しさとは無縁の飄々とした田村麻呂さんのキャラに、親しみやすさを添えて、お手軽な全3巻。
苦しい場面も悲しい場面も入らないので主人公綿麻呂の空振りするまじめさが重宝であり、反面、微妙でもあり。
桓武天皇が笑いを誘う役どころなのもユキムラ先生の造形力ともいえ、政治の中心人物に据えられる器量がない設定なのがまた可笑しい。

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