嫌い、大嫌い、愛してる。
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嫌い、大嫌い、愛してる。

ARUKU

最後に幸せになれたの?

ネタバレ
2023年2月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 痛くて悲しくて辛いお話。昭和50年代の設定?フィルムカメラに黒電話や公衆電話、カローラ。携帯電話の存在も全く見えない時代。娯楽の無い田舎の閉鎖的な空気が伝わる。不良が主人公に「俺たちに目をつけらたらこの町で生きていけないぞ」と言う言葉も違和感ない。それまでも主人公はとことん不幸。あのあばら骨の浮いた身体が痛々しい。凍月に捕縛されてから不幸のドン底に。なんでこんな酷い奴らばかり居るんだって、憤りしかなかったが、璃子も同級生も従兄も後半ことごとく自分達のやった事の報いを受けたのが救い。一番報いを受けたのは一番奏を不幸にした凍月だけど。凍月は奏に本当の愛を教えて貰ったんだね。奏のお母さんは悲しい最後だった。凍月の奥さんは不憫だった。でも奥さんは、生まれて初めて人から優しさを受けたのは奏からだったのではないか?あの自首した時に握りしめていた奏のマフラーを見た時に涙が出てしまった。奥さんもある意味被害者。余生に救いがありますように。最後に奏が意識を取り戻してから言葉を発していない。凍月が刺された時に110番をダイヤルできたのだから、脳に障害は大きく残らなかったのだろうが、言葉に障害が残ってしまったのだろうか?あの微笑みは?最後に本当に幸せになれたの?十分過ぎる程苦しんだ奏に救いをあげて欲しい。凍月には一生をかけて償って欲しい。幸せになった奏と登場人物のその後を見たい。追記。事務のお局様の優しさが良い。この人は一番人を見る目があったね。
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