涙の音【電子限定描き下ろし付き】
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涙の音【電子限定描き下ろし付き】

ケビン小峰

割れ鍋に綴じ蓋な二人

ネタバレ
2023年2月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 六郎の幸せを思うあまり逃げてしまうルイ。ルイが好きすぎていなくなってからは生きてる意味さえわからなくなっている六郎、それなのに、せっかく再会したらまた失敗してルイを逃してしまう。ちゃんと最後はハピエンだからいいけど、BLによくある、またしても、好きでもないのに付き合ってしまった女たちが酷い、とにかく口が悪い。最初にルイが姿を消す原因となった六郎の学生時代の(猛アプローチが煩わしかったので付き合った)女性は最初から性格と口が悪いし、六郎に振られて八つ当たりの嫌味でルイを追い詰めます。もう一人、六郎の上司の娘でこちらも仕方なく付き合ったっぽい女性は、口が悪いうえにヒステリーで暴力女しかもしつこいという本性が露わになって、ほんと気分が悪い。そもそも好きじゃないからルイと再会してからはほぼ忘れてるっていう六郎も六郎だけど、ルイが登場する前とは別人のように豹変して、六郎に気に入られるために猫かぶってたんですね。結婚しなくてよかった、危なかったね。現実でもこういう女性いるなと思ってぞっとした、作者さんすごい。六郎の外見や将来性だけで近づいてきた女ばかりで、ルイに魅かれてしまうのも納得。長い時間をかけてやっと二人でいられるようになって。どちらも少しずつずれてる二人が、補い合ってかえって深い結びつきを感じます。結果いいお話に思えてしまって、六郎に辛辣なレビューもある中、私は六郎に共感してしまった。
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