過去を乗り越え幸せを掴んだ２人に拍手

『ヤキモチはきつね色』のスピンオフです。本編も良かったけど、私はこちらの方がより好みでした。本編は「素直・可愛い・一生懸命」と明るいイメージが強く、こちらは「トラウマ・拗らせ・すれ違い」などなどどちらかというと暗い感じで、表面上はいつも煩いくらい明るい大狼とのコントラストが魅力だと思います。シリーズでもこういう感じでテイストが違うのは、「一粒で二度美味しい」と得した気分です。過去の辛い経験から来る心の壁は、乗り越えるのも取り払うのも勇気が要ることで、匂いとか手触りみたいなほんの少しの光明を頼りに暗がりから抜け出そうとする２人を応援したくなりました。人間どうしても同じ痛みは受けまいと身構えるし、危険を排除しようとするけれど、勇気を出して幸せを掴みに行った２人に拍手を贈りたいです。一匹狼系のクールキャラだと思っていた大狼くんが、実は甘えんぼワンコ系とかいうギャップもあって面白かったです。