スキップとローファー
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スキップとローファー

高松美咲

みつみちゃんと東京

ネタバレ
2023年3月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻はクラスメートとの交流が中心。
高校生ならではの人と人とのコミュニケーションの描き方がとてつもなく丁寧。丁寧なだけでなく、コミカルなシーンもクスッと笑える塩梅がすごく良い!

天然純粋だけども人一倍志が大きくギラギラしているみつみちゃん、穏やかで優しいけど秘密を抱えている志摩くん、志摩くんいわく「肩の力を抜いたほうがいい」らしい腹黒系少女ミカちゃん、みつみちゃんのおじでありおばであるナオちゃんなどなど、個性豊かで決して一筋縄ではいかない登場人物たちにも目が離せません!

この巻で一番好きなシーンは締めのページの「私はこの町を好きになります」の場面。
辺鄙な田舎で暮らしてきたみつみちゃんにとって、いろいろな意味で“人口密度が高い”東京は理想とはだいぶかけ離れ思わず故郷に帰りたくなることも。
それでもクラスメートたちと少しずつではありますが距離が縮めていき、やがてみんなと渋谷の町に遊びに行きます。
それらを踏まえたうえでのこのシーンの彼女からは東京への不安はすっかり消え去り、キラキラと輝いているように見えました。

読み終えてからもしばらくは爽やかな気分が残り、次巻以降もじっくり読みたいと思わせる世界観、なかなか出せるものじゃない
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