タフ
」のレビュー

タフ

岩本薫/高崎ぼすこ

2人の関係も襲いくるトラブルもスリル満点

ネタバレ
2023年3月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 面白そうとは思っていましたが、想像以上に良かったです。ただ、こういう昔からの人気シリーズには、時の流れを止められない以上生じる問題点に対して「賛否両論生まれてしまうのは仕方がないのかなぁ…」と思いました。それは、私も一巻を少し読んで気づいた小さな違和感ですが、何となく「文章から昭和感が漂っている(それ自体は全く問題ない)のに、スマホ?」と、時代が合ってない気がしたんです。他作家さんの他作品でも昔の作品には当たり前に二つ折りの携帯が出てくるので。気になってレビューを読んだら詳しく書いて下さっている方がいて…つまり「(時代に合わせて)改稿されている」らしいんですね。なるほどと思いましたし、違和感の原因も分かりました。更にその方が仰るには「それならそれ(古い作品なら作品当時のまま)で変えない方がいい」というご意見でした。こういう問題は難しいですよね。私は先生の大ファンなので、どちらでも評価は変わらず楽しめると思います。今回は電子なので否応なしに改稿版を読みましたが、時流に合わせたい気持ちも分かるし、オリジナルを楽しみたい気持ちも分かります。これから読むという人には、その点に一応の注意が必要かと思います。あとは主人公シンゴの性格を受け入れられるかどうか(笑)。待てができないバカ犬のような無鉄砲さがあるし、自分で蒔いた種なのに刈るのは人任せ(主に響)とか、基本神頼み(これも神というより響頼り)で正にトラブルメーカーという感じです。それを許すしかない響も好きになったもの負けとはいえ、「破れ鍋に綴じ蓋」って感じで、なんだかんだお似合いだよなぁと微笑ましく思いました。これらの点を考慮して購読するしないを決めるのが良いかなと思います。
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