囀る鳥は羽ばたかない
」のレビュー

囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダコウ

切なくて苦しくて美しい

ネタバレ
2023年3月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 8巻まで読了。
作者先生の8巻発売に向けたPOPの言葉にもありましたが、百目鬼には4年経っても変わっていないように見える矢代が実は百目鬼以外には心も体も反応しないと実感してしまったこと、それを苦しみながら他の男に抱かれることでバランスをとり必死に隠し続けている姿がとにかく痛々しく切ない。そして一方で、別の一家の元に入り女もいるという、四年前とはあまりにも変わってしまった百目鬼の本心はどこにあるのか。いまだに井波との関係を持つ矢代に対して明らかに苛立ちを見せているあたりで百目鬼の本心は変わっていないと信じたいし、8巻最後で矢代の手を引く百目鬼の行動で何かが変わるのではないかと………。この先、抗争も激化し2人は渦中へと巻き込まれていくだろう中で悲しい終わり方もあるかもしれないけれど、百目鬼が関わり続けていくことで矢代が自分自身とその心を解放して救済されることを願ってやまない。次巻からまた一気に話が進んでいきそうなので何度も読み返しながら待ちたいと思います。
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