このレビューはネタバレを含みます▼
50%offだったので、ずっと気になっていた本作を購入。やっぱ、ためこう先生だなぁと感心。
カッコウのメタファーは抜群だなと。
名塚は家庭と瀬野で、白鳥は兄嫁で、瀬野は家庭と名塚で、3人3様でカッコウだった。いつか自分の場所にできるかもと願いながら、見返りのない愛に縋って間違いだらけ。人の苦しみに大小はなく、本人が感じる苦しみが全て。中でもとりわけ、瀬野の存在に対する孤独感は生きる意欲に関わる。白鳥が目覚めて、姿を消し何も食べずにいたことが表しているような。
名塚が気づいてよかった、興味を持ち瀬野を見ようとして。白鳥のお陰だ。表紙が白鳥と瀬野だということがニクイ演出だ。
BLの枠を越えて文学に近い感じがする。秀逸。