獅子帝の宦官長
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獅子帝の宦官長

ごいち/兼守美行

すごいの読んだ・・・

2023年3月20日
規格外に体が大きい皇帝と、皇帝に仕える黒髪の宦官。
宦官という特殊設定に若干不安感じながら読み始めましたが、なんて面白いんだ!これすごい!
色んな人物が出てくるのですが、文章には記されていないながらもそれぞれのバックグラウンドを感じられるのです。
良い人も悪い人も悪モブも、みんなそれなりに生きることに一生懸命なのだろうなと描かれていないその向こうの物語に思いを馳せたくなるのです。
宦官長自身もひたすら健気で純粋な美人というわけではありません。
面差しは絶世の美形というわけではなく、身体で宦官長の地位までたどり着いたともいえる過去があり、そしてかなり性の快楽には貪欲でテクニックもある。
王族ものにはちょっとないタイプの受けです。
想いが通じ合うのが物語が始まって三分の一くらいで「え?もう?600ページあるのに大丈夫?」と言いそうになりますが、すごいことにここから最後まで全く飽きさせません。
なんならもっと欲しいくらい。
これは本当にしっかりと世界が確立された一冊だと思います。
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