このレビューはネタバレを含みます▼
嫉妬と不安と自信のなさが邪魔する。
漫画家同士の恋愛。はっきりしたことを口にしないことで、渦巻く不信感と恐怖と少しの希望。
才能に対する嫉妬は厄介だ。切磋琢磨できればよいのだろうけど、自分の不甲斐なさに焦点があたってしまう。
ファンだった余利は、境界にあって宇郷に求められて恋心が開花したと思う。宇郷が余利を好きになったんじゃないかな。そこからは、素直になれない捻くれた宇郷の言葉に一喜一憂。傍からみれば、全部愛情表現に見えるけど、当事者にとっては確定できない不安材料にしかならなかっただろう。
互いに好きで愛情がある。だけど、宇郷の兄の喪失感から変わった。束の間の幸せは見せかけで、余利にとっては嬉しくて目を曇らせた。宇郷の喪失感と自信喪失を余利に埋めてもらえばいいのに、なけなしのプライドが余利にその役をさせなかった。4年間、どうしていたんだろう。余利は泥沼恋愛漫画で消化しようとしたが、宇郷は日薬だけだったんだろうか。でも、戻ってきた。謝った。変わった。もう、一緒にいられるんじゃないだろうか。
リアルだな。やっぱりファンタジーじゃないBLは痛いけど好きだ。ハピエンにしてくれた担当さんに感謝(笑)