心を殺す方法
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心を殺す方法

カシオ

心を殺したのは、壊れたのは誰だったのか?

2023年4月7日
全巻購入してからしばらく読み始める勇気が湧かず、ようやく読みました。カシオ先生の作品、結果としていつもとても好きなのですが、ヘヴィな世界観(精神的に)なことが多く、読み始めるのに勇気がいります。本作もヘヴィだった…。本作は義弟✕義兄ものによくある「実は元々両片思い」や「絆され堕ちからのハピエン」などではありません。義弟の光にしろ義兄の春樹にしろ、序盤ですでに壊れていたのかもしれません。マトモな判断を下せてない。歪な車輪が坂道を転げ落ちていくように、どこでどう跳ねるのか行き着く先はどこなのか、予測がつきませんでした。確実なのは一度転げ始めたら、決して「登らない」ということだけ。しかしカシオ先生の着地のさせ方は抜群だと改めて思いました。手放しのハピエンではないけれども、これ以上はない、という落としどころだったと思います。こうなると、もう唸るしかない。惜しむらくは英先輩ですねー。彼、キャラとしてとても好きなのですが、いちいちタイミングが合わないんですね。運命には抗えないということなのか…気持ちに余裕がある時に、また読み返したいと思います。
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