このレビューはネタバレを含みます▼
作者さん買いで積ん読から。高校２年の謙太郎×遊び人で有名な３年の瑞生のお話で、表題作のみ全６話＋描き下ろしで合計188ページ。サボりにきた保健室で、遊び人で有名な先輩の瑞生と遭遇した謙太郎。ある日保健室で先輩が女子といるところを目撃してしまい…というお話です。一見チャラい感じの瑞生ですが、その家庭環境から遊び人風を装っているだけで、愛情の受け方を知りません。そんな瑞生に真正面からぶつかって好意を伝える謙太郎がとても良かったです。謙太郎の家族との交流からも愛情を受け取って欲しいし、謙太郎に愛されることで、瑞生がこれからももっと愛情とは何か知っていって欲しいな。謙太郎の方も、好きじゃないのに嫉妬したり、好きかは分からないけど欲しいと思ったり。独占欲＝好きになかなかすぐ結びつかないけれど、謙太郎の方も初めての感情に自分でも戸惑っている様子が上手く描かれていたと思います。一方で、低評価レビューに書かれていた「波がない」「物足りない」というのも何となく分かる気が。二人が自分の気持ちを自覚して寄り添えるようになるまでという、ストーリーの骨子はとてもシンプルなもので、特に当て馬もいない（強いて言えばJKたち？）し、重いはずの瑞生の家庭環境もさらっとした描写で、謙太郎がバズり王子な理由もあまり掘り下げはなし。作者さんの別作品と比べると少し盛り上がりに欠ける気はしますが、これはこういう作品だということで楽しめれば高評価に繋がるのかも。全然関係ないけど、謙太郎のお兄ちゃんが格好良くてイチオシでした。
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