このレビューはネタバレを含みます▼
読み応え◎ 前から気になっていた作品がセール対象になったので、1冊お試し購入したら 止まらずに5冊大人買いしちゃいました☆ いくつものテーマが感じられる BLジャンルに留めるのがモッタイナイ情緒ある作品。 物語の基軸は 階級制度のある世界における 一人の平民青年と第二王子&貴族の子息との恋愛模様で、その平民青年が国家存亡の危機を 自らの命と引き換えにするような形で救うところから広がっていきます。目の前で想い人を失った二人(王子と公子)の心のありようや、そこに至るまでの馴れ初め、その後の世界など、読み手を混乱させることのない構成で 緩急よく展開されています。特に不可欠なのが、その平民青年の記憶を持って生まれた 準王族と言って差し支えない血筋に生まれた男児の存在。 この子が成長する過程で 前出の二人(王子と公子)と人生が少しずつ交差し、国家の在りようにまで影響を及ぼす 大きなうねりになっていきます。 総括して・・「愛ゆえに犯す罪」とでも言うのですかね、、事象としては「悪」も 背景や経緯を踏まえれば「正義」であったり、考えさせられます。割と多めの登場人物ですが 被ったりボケたりしない 構成力が素晴らしい。外伝の「運命の男達」では 個々の視点から語られる形式で 1~3巻までの物語に深みを与え、「この恋の涯てには」では 平民(とは言っても 昔は貴族の家系)で護衛騎士に抜擢された青年の恋事情を基軸に この先の物語を感じさせる内容になっています。GWまで待てなかったわ~(笑)