背中を預けるには
」のレビュー

背中を預けるには

小綱実波/一夜人見

ライトじゃないライトノベル

ネタバレ
2023年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前投稿サイトで徹夜を繰り返しつつ読みましたが、とうとうセール中を機に全巻一気買いの一気読みです。
他店のオマケ小冊子分にも未練はあるんですけど…。
全部統合して販売されないんですかね?
それとも全収録されたんでしょうか…?
感情移入してのめり込んで読むと、本当に心理的に疲弊するほど重いですが、読み応えがり、もの凄い吸引力のある作品です。
悲劇具合がライトではなく深刻で、愛憎のドロドロ具合も複雑で闇が深いです。だからこその光が際立つんでしょうが、
人間心理の複雑さがまたこの作品の魅力です。
あらゆる部分で光と闇の対比の重なりが特徴的な作品です。
過去世設定の取り扱いも、ライトノベル界隈に溢れるライトさはないですね。
ガチのそっち系興味ある人も納得感のある生まれ変わり創作設定になってます。
(過去世って基本的に共鳴はあるけど別人格なのが自然な感じです。)
投稿サイト分は海賊版被害で作者様が削除されてしまったようですが、投稿作を読んだ時より物語りの進行や心理描写の動きがなめらかになっているような気がするので、加筆などされたのかもしれませんんが、大筋の変化はないようです。
結構たくさんオマケの話があり楽しいですが、小話の作りが段々と上手くなっている感じです。
三角関係の在り方とか、レオリーノの未熟さと天然具合が受け入れられない人にはダメそうですが、ストーリーとしては良くできていて、それぞれの深く一途な愛の形を美しく描いています。
挿絵だけが…表紙とか大変美しいには美しいんですけど…個性的な登場人物が多く容姿描写が結構文章で詳しいのでもう少し元のキャラバリエーションを描き分けてほしい感じだし、基本的に育ちが良さそうな同じ優等生タイプの若い男の子以外を描くのが苦手そうです。
ちょっと私としてはあまり好みではなかったのが残念でした。
いい歳したグラヴィスもせいぜい20代前半くらいの容貌な感じだし、ルカも完全なイメージ違いだったし、ほぼ全員がそうだったんで。
正直、絵を入れるのは表紙だけにして欲しかった。
戦士のガッチリ体型とかイケオジとかもまあ描ける人少な過ぎるんですが。小説キャラ絵の原作イメージ違いはもうどうしようもないですね…。
唯一宰相だけは良い方のイメージ違いでしたが。
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