愛し
」のレビュー

愛し

くれの又秋

続き描いてあげてください(芦田のために!)

ネタバレ
2023年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ あーねぇ…。分かる、分かるのよぉ芦田。レビューされている方の中にもありましたが、芦田は身体の成長と心の成長が比例していない。身体ばかりがいろんな意味で成長してるんだけど、その先にある人を愛する意味や愛される意味をまだ知らない。本当に人を愛することで覚える切なさや痛みや辛さの愛し(かなし)、そしてそれ以上の大きな安らぎと愛に包まれた愛し。自分が周りとは違う性癖だと自覚して、バイであることを隠さず生きてきたけど、でもやっぱりそんな自分に向けられる周りの目や偏見に、敏感に反応してる。だからこそ、人をどこかで信用できず、付き合った人にもまるごとの自分を受け入れてもらえないのでは、と、結局いつか拒否されるのが怖くなって、その前に自分から逃げてしまう。人と違う自分を自分が1番分かってるのに、他人にそこを拒否されるのは、自分ごと否定されてるようで怖い。だから、本気になれない。深く入り込めない。自分が傷つく前に、相手を傷つける。でもどっちにしても、傷ついてて、そしてまた違う人恋しさを求める。拗れてますなぁ。そこで出会った救世主が翔真。翔真がねぇ、菩薩か?と思うくらい、この年にして達観してる。恋愛経験ない童貞なのに(そこは関係ない?くはない?)、芦田の心と身体のアンバランスさを、よく理解しているな…と。リバを強調しすぎてるからか、評価がわかれてますが、たぶん私も芦田の受けはあの時だけかと思ってます。芦田は翔真のことが無自覚に好きだったが故に、翔真に甘えて、欲しかったものをねだったのかな…と(そこに童貞が絡んでくるのかなぁ…なんて)。翔真がとてもとてもいい子で、包容力があって、やってること言ってることは、翔真のほうが攻めっぽいけど、翔真は芦田をすべて受け入れて甘やかしてますから、あのラストなんでしょうね。でも、そのせいでか、芦田が翔真への想いを明確にせぬまま終わったがために、芦田のよくない印象が残ったまま不完全燃焼の方がいるのも理解はできました。ので、芦田の名誉挽回のためにも(?)、ちゃんと翔真との先のある続きを描いてあげてほしいなぁ〜、と最後に思った次第です。漫画のいいとこは、最後の真っ赤な顔の芦田ですべて察してって、伝えられるとこだと思うんですけど、でもやっぱねぇ…欲しいですよねぇ、愛し(いとし)、が。
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