フェア・プレイ
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フェア・プレイ

ジョシュ・ラニヨン/草間さかえ/冬斗亜紀

やっぱりこの二人好き

ネタバレ
2023年5月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ2作目。1作目に続きタッカーとエリオットがほんとよかった。二人が同棲を始め、衝突をしつつもさらに愛は深まっていく。1作目同様ストーリーの主軸は事件解決にあり、ラブラブ甘々な展開というのはないけれど、それでも、二人の間の愛をはっきりと感じられるストーリー。あからさまで大げさな表現はなく、でもエリオットのちょっとした仕草や目線とか、タッカーとのさりげないやり取りの中に愛がにじみだしている。ほんといい。エロもいい、と書こうと思ったけど、なんかエロって言いたくなくなった、この二人はセッ○スという言葉のほうがしっくりくる感じがしてきた。セッ○スやキスなどのシーンはさほど多くはないけれど情感たっぷりというか、なんともいいエロス。しかしセッ○ス以外の場面でも、いわゆる色っぽいような場面では決してないのに、静かに胸の底から私の情欲を掻き立てるような表現がいろいろあって、脳髄の一番真ん中に突き刺さってきた。「気をつけて」というセリフ一つの使い方にしても、ほんとこころにくい。

本作では、エリオットとその父親ローリーとの関係だけでなく、タッカーの生い立ちや母親とのエピソードも出てくる。エリオットは親の愛を疑ったことがないという。そして里親に育てられたタッカーはそんなエリオットに対し、生まれてからずっと愛されてきた人間には愛を知らずに生きてきた人間がどう感じるかは理解できないだろうと言った。親の愛を疑ったことはないと、きっぱりはっきり確信できるのも一つの幸せ。親の愛に限ったことではないけれど、疑いようのない愛を感じられることの安心感は理解できる。

率直に書くと1作目同様サスペンスとしてどこまでおもしろいかを考えると★5にはならないんだけれど、タッカーとエリオットがよすぎるのでやっぱり★5。
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