このレビューはネタバレを含みます▼
初めて読む作家さんでしたがすごく好きでした。読んでよかった。絵もストーリーも雰囲気も好みにドンピシャ。
もう一目で気に入って、最後までとても気持ち良く読ませてもらいました。この一冊ですっかり作者さんのファンになってしまった。
まず絵の表現の細やかさが好き。一コマ一コマが繊細で美しく、文字に頼らず絵で表現しようという心意気が伝わってきました。
普段はどちらかと言うとモノローグ重視派ですが、今作では絵に注視。少し懐かしさを感じさせる、琴線にふれる絵で、1ページごとに惹きつけられました。
ストーリーはもう一歩踏み込んでもいいのかなと思うところもありましたが、それによって優しく心地良い世界が完成されていたのでこれでいいと思いました。
天惺の一途さと、若さからくる熱さと男らしい包容力のバランスがすごくいい。槇人さんも美しさだけじゃなくて、柔らかで朗らかなところが魅力的。
火傷の痕というハードな下地がありながら、それを救い上げつつ爽やかに纏めていて良かった。この空気感好きだー。