表紙の顔に全てがある





きっと、残された淀野さんより、田中さんとやぎさんの方が幸せだったでしょう。
淀野さんの言うとおり、黒い襟巻きをして、やぎさんの名前を呼んで、ひとり特攻して行ったのでしょう。
帰りを待つ母の顔など露も浮かばず、彼の元へまっすぐに飛んで行ったのでしょう。
生涯それを思いながら、たった一晩の夜のために、生きて行かなければならない淀野さんの何としんどいことか。
だがその苦行と思える恋心すら、なかった方が良かったなんて、絶対に思えない。
出会わなければ良かった、なんて到底思えない。
恋をするということは、理に叶わないことなのだと、いつの世もきっとそうだったんだろうと、平和な時代に生きていてもそう思います。
表紙の田中さんの表情に、太く短い一生の全てがあった気がします。表紙が気になったらぜひ読んでみてほしい。

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