その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
」のレビュー

その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】

鯛野ニッケ

リアシンに情緒狂わされた女が通りますよー

ネタバレ
2023年5月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ その世のどこかシリーズ、待望のリアシンターン待ってました!地図にない国、常夜の楽園、そして蒼天のゆりかご。タイトルもエモいの言葉に尽きますが、全作ストーリーが本当に読み応えがある。主と従者、そして同性愛が禁忌(とされているであろう)国。リアの言葉にならないしんどさが切なかったです。そしてシンのお前の子を〜のシーンはもう胸が締め付けられましたね。リアの夢に見るほど狂おしく恋焦がれる気持ちと、シンのリアに対する気持ちに終始胸が締め付けられました。あのいつでも自由奔放なシンが初めて見せた涙に私も涙です。シンがいつでも自由にできていたのはリアという帰る場所があったから。お互い唯一無二の存在だと思います。離れられるわけがない。ずっと同じ形でそこにあったものにようやく気付けたんですね…深いわぁ…さすがニッケ先生です。ところどころお茶目さが出てシリアスが続かないシンたま、リアの痛みまでも包み込んでくれる圧倒的存在の暖かさが大好きです。シリーズCPはどれも好きですが、やっぱりリア×シンはダントツでエモい。関係性があまりにも好きすぎる。愛が重い攻め、愛が深い受けを主食とする私はこのふたりにどれほど情緒を狂わされたか…!!そんなふたりの足元に口付けはたまらんのだよ…!!私も召使いになってそんな2人の情事を盗み見したい…。最後坊ちゃんたちに宛てた手紙の内容にまた胸を締め付けられた。でもシンならきっとやり遂げられるんではないかと思ってしまう。世界は広い、その世はまだたくさんある。ずっとずっと続いてほしいシリーズです。個人的に今作のゴートがあまりにも可哀想でめちゃくちゃ好きだったので彼にも幸せになってほしいです!普通にBLを読んでいて当たり前のように感じてしまっているけど、世界が少しずつ個人の性に寛容になってきたこの時代だけど、そうだよなぁって。まだまだ禁忌扱いされている部分もあるし、同性ってお互いの好きだけじゃ通らないことたくさんあるよなと再確認させられました。
いいねしたユーザ21人
レビューをシェアしよう!