このレビューはネタバレを含みます▼
アーミッシュという、聞いたことはあるけれどもよくは知らない文化を題材にした作品でしたが根本は人と人の愛情のお話でじんわりと幸せになれるお話でした。
16歳のジーンがNYに住む叔父の書斎で見つけた自分の同じ名前の相手との暮らしを書いた手記を見つけるところから話は始まり、過去と現在が交錯していきます。
最初は馴染みにくい叔父さんだと思っていたトレヴァーの過去、そして彼と過ごしたジーンという人物の存在。
過去のトレヴァーとジーンの話にフォーカスしますと、お互い過去に“自身をゆるせない、認められない”経験をしたことがある者同士で惹かれ合い、そして愛し合うことでお互いに自分自身を認めてあげられるようになったように思います。
愛しているからこそ別れを告げるというシチュエーションがとても好きなのですが、まさにそれを描いてくださって涙涙でした……。
そしてそのまま16年後の現在に話が戻り、まさかの再会……!本当に泣きました。これから彼らが恋人に戻るか友人でいるかはわからないとのことでしたが、それでも互いが唯一無二の大事な存在であることは間違いないので(ジーンに初めて「おかえり」を言ってくれた人なので)これからも幸せに暮らしてくれるんじゃないかなと思います。本当に素敵なお話でした。
シリーズであるラムスプリンガの情景ともリンクする場面が多々あるので、ぜひ両作とも読んでいただきたいなと思います。