ためらってる人は全員、読んでほしい!





2023年6月1日
一生忘れられない1冊になると思います。値段や時代物を前に迷われている方、全力でお薦めしたいです!
「おはなし」を読む楽しさ、喜びがぎゅうぎゅうに詰まっています。景色もアクションも表情もどこを取っても見事な絵、快感を覚えさせるほどに構造化された物語の構成力、繊細な心理描写、時代物ならではのかっこいい言い回しのセリフ…。緊密でいながら緩急ある流れ。ひとつの講談か何かのお話のようです。作者さんのなかで、どういう言動がかっこいいのか、美しいのか、ということが研ぎ澄まされてはっきりしているんだろうな、と感じさせられます。読んでいて「粋」が見える。優雅に扇を返すかのように話の流れがザッと変わる瞬間がある。最高です。BL部分については、攻めが2人出てきます。受けの若い頃の相手と、年齢を重ねてからの相手。ネタバレを避けて書きます。前者の関係性は、暗いものを抱えた受けに対し、懐の大きく温かい攻めが、見返りを求めない贈与的な愛し方をするというもので、王道ながら堪らない。後者は、うまく言えないのですが、葛藤を抱えた大型犬攻めが、かわいそうで、かつ、かわいいんです。現代とはひと味違って、人の振る舞いに決められた型がある時代。そういった縛りがあるなかで、情がどのように抑えられ、歪められ、また発露するのか。この作品は折に触れて繰り返し読み返すと思います。
「おはなし」を読む楽しさ、喜びがぎゅうぎゅうに詰まっています。景色もアクションも表情もどこを取っても見事な絵、快感を覚えさせるほどに構造化された物語の構成力、繊細な心理描写、時代物ならではのかっこいい言い回しのセリフ…。緊密でいながら緩急ある流れ。ひとつの講談か何かのお話のようです。作者さんのなかで、どういう言動がかっこいいのか、美しいのか、ということが研ぎ澄まされてはっきりしているんだろうな、と感じさせられます。読んでいて「粋」が見える。優雅に扇を返すかのように話の流れがザッと変わる瞬間がある。最高です。BL部分については、攻めが2人出てきます。受けの若い頃の相手と、年齢を重ねてからの相手。ネタバレを避けて書きます。前者の関係性は、暗いものを抱えた受けに対し、懐の大きく温かい攻めが、見返りを求めない贈与的な愛し方をするというもので、王道ながら堪らない。後者は、うまく言えないのですが、葛藤を抱えた大型犬攻めが、かわいそうで、かつ、かわいいんです。現代とはひと味違って、人の振る舞いに決められた型がある時代。そういった縛りがあるなかで、情がどのように抑えられ、歪められ、また発露するのか。この作品は折に触れて繰り返し読み返すと思います。

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