シャングリラの鳥
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シャングリラの鳥

座裏屋蘭丸

もう(泣)

ネタバレ
2023年6月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 既刊は全て読んでおりますが、レビューを書くのは初めてなので拙い文章をお許しください。簡潔に言えば、めちゃめちゃ良かったです。是非迷わずに真っ直ぐに買って下さい。既刊を読んでいらっしゃるあなたなら大丈夫です。裏切りません。言わずもがな素敵な表紙。美しい筋肉!紙を買おうかと迷うほど配信を待ちに待っていました(読み終わってからやっぱり紙で欲しいとなっているところです)なので、すぐにカートへ。304ページというボリュームに驚きつつページをめくっていきますが、もうあっという間でした。これまでは教育期間としてフィー専属だったアポロでしたが、あっけなく終わってしまいます。ですが、それをきっかけに、二人の距離がますます近づいていきます。近づくにつれお互いに自分以外には触れさせたくない、触れてほしくないという独占欲が芽生えていく。しかし、仕事は仕事。だから仕方ないと自らに言い聞かせますが、フィーはイライラを募らせアポロはフィー以外の試情夫にしんどさを感じてしまっている。そして、ある場面をアポロが目撃。フィーに対して乱暴な扱いをする客が気に入らない、でも言えない。だってそれが彼の仕事だから。あぁ!!じれったい!!でも、それが好き!!アポロは相手を思うあまり直接的な言葉が少ないし、フィーは相手の心情を読み取るのは得意なくせに自分の感情にはてんで鈍感。それでも少しずつ想いを通じ合わせていく二人が切ないやら愛おしいやら。アポロの随所に滲む優しさに甘えるフィーがこれまた可愛いんですよ。先生が表現なさる褐色ゆえの肌のなまやかさって、言葉にならない健康的な良さがありますね。強気なエロさというのか。二人の交わりにもどんどん熱がこもっていくのですが、それより日常での些細な触れあいの甘さったら。もうお互いが特別な存在になってるのに、気付いていない!ああ、もうだめです。台詞がないコマでも視線の動きとか、触れたいのに引っ込めてしまう手とか、こちらに予想させてくれる余白がある漫画ってたまらないですよね。終わらないでくれと願いながらページをめくっていくとめちゃくちゃ良いシーンで終わってしまった。恋に落ちたら楽園追放のルールを二人は破るのか、秘密を貫くのか。二人の進展の他にも、シャングリラの周辺の不穏な動きは、これからどうなっていくのか。フィーの過去が現在にどう繋がってくるのか。次巻も気長に楽しみに待ってます!
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