目が覚めたら投獄された悪女だった
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目が覚めたら投獄された悪女だった

皐月めい/いもいち

書き下ろしSSやオマケ付きでお得

ネタバレ
2023年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックが綺麗で面白かったので原作へ~のパターンですが、個人的には可もなく不可もなく、でした。ヴァイオレット様への期待値が高過ぎたのかしら。もっと天才脳で出来る子だと思っていました。彼女が何を企んで入れ替わりを行ったのか、狙いは何なのか。周りの王族も貴族も国民も全人類が彼女の掌の上で踊らされてしまう至高のヒロイン。そんな期待がどんどん高まりながら読み進め……結果的に、まあ……はい。ただの「ヴァイオレット節」で喋るだけの18歳の少女でした。伯爵家を掌握する所など、一番面白くなりそうで、もっと詳しく読みたかったのに、割とサラッと流されてしまうし。それでも何だかんだと、ソフィアとの初対面迄がこの小説の最高潮でしたね。それ以降は、周囲に入れ替わりがあっさりバレていく過程とか、随所、展開の雑さが加速していませんか? 2人のヒロインの出逢いシーンは肩透かしだし、主要人物に簡単に面会出来ちゃったり、簡単に救出されたり、いまいち盛り上がらないなあーと思ってしまいました。シリアス面では、もっと過去の悲劇と心情も絡め、深堀りして下さっても良いのですよ? 存分にやってくださいませ。もう一人のヒロイン・ソフィアも御馳走と甘味に感謝している序盤は可愛かったかもしれないのですが、中盤以降は、お決まりの恋愛は鈍感、菓子好き、真実には都合よく辿り着けちゃう没個性キャラで魅力足りず。クロードに至っては、初登場から、逐一、説明くさい科白ばっかりだな! 解説モブキャラか! オイッ! って思ってました。どれも何処かの作品で読んだようなキャラばかりで、もっと肉体と精神を持つ人間キャラ達を描いて欲しかったなあと思います。
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