このレビューはネタバレを含みます▼
読んでて辛いけど、ひなこ先生の作品はそれが癖になってハマってゆく。過去に取り返しのつかない事をしてしまった隼人は同じ事を繰り返さないために誰にでも優しく接してた。素直でまだ考えが幼いからこその過ちだったかもしれないけど、隼人の心をずっと縛り付けていた事も事実。そんな時に、男が好きだというだけで周りから疎外され人と仲良くする事を諦めかけていた奏真に出会い、自分のしたことへの償いもあって奏真には笑って生きててほしいと願い一緒にいる事に。でもその事実を奏真が知ったら…もっと傷つけてしまうことは容易に分かってたはずなのに、保身で真実を言えない隼人。少しずつ惹かれていく2人だけど、それが強くなればなるほど隼人は苦しむんだよね。高校生だから見せれる魅力的なキャラ達に、読んでて心苦しかった〜！友人2人がいい子達で良かったし、番外編は奏真が本当に幸せそうで涙。隼人が過去に傷つけてしまった宮沢くんにも新しい恋がやって来そうで少し救われました。大人になりきれない子達が少しの判断違いから危うい道へ落ちなくて本当に良かったと思います。天然で優しくしちゃうのは時には劇薬にもなりかねないけど、隼人の優しさは本物だと思うし、1人でも生きていこうと高校生活を送っていた奏真の強さも隼人には必要なことだった。出会えたからこそ共に前に進めた、現実を隠さずにぶつけあって乗り越えられた2人はきっと長く一緒にいるだろうな〜と読後感は良かったです。
レビューをシェアしよう！
ERR_MNG